2014年09月30日
デデ肉を食おう!

今日はドイツの糧食を知る上で(特にWWⅠ)非常によい資料となる「カブラの冬(人文書院)」からレシピを引っ張ってきましょう。
とてもレシピが引っ張れるとは思えない表紙ですが、まぁ、そこはクッキングナチなんで(笑)。
ドイツは2回の大戦を経験しているが、実はベルリンが瓦礫となってしまったWWⅡよりもWWⅠのほうが食糧事情はよろしくない。
WWⅠは後方の食糧事情の崩壊から敗戦になってしまったのである。
で、WWⅠの悲劇を繰り返してはいけないからわが政権に投票を!って感じで勢力を伸ばしたのがナチスなのだ。
そういう事情からWWⅡのベルリンの食糧事情というのは結構ぎりぎりまで一定水準を保っていたのである。
逆にWWⅠは戦争による物資不足に加えて、飢饉と政府の後手後手で誤った政策から洒落にならない飢餓を体験しており、この歴史は「カブラの冬」と呼ばれているのである。
今回取り上げた「カブラの冬」は題材のとおりこの飢饉がよくわかる本だ。
そしてこの本にはさまざまな代用食料が載っている。
今回はその中から「De De Fleisch(デデ肉)」という肉を紹介したいと思う。
WWⅠのドイツはとにかくものがなく、肉類も不足している。
まぁこれは「豚に餌を食べさせて肉を作るよりもその飼料となるものを食べたほうが国民が飢えなくてイイ!」というかなり乱暴な政策を実施しちゃって肉不足になったという失策のせいでもあるんだが......
そんな肉不足の1915年。魚肉よりいい感じの代用肉として「De De Fleisch(デデ肉)」が紹介されている。
これは干し鱈と豚肉の合成肉で、スパイスと脂を混ぜ込んで作られており、フライパンで焼くと香ばしいにおいが満ち足りた気分なれるということらしい。どれくらい満ち足りた気分になるのか?今日はデデ肉を作って食べてみよう。
ただし、カブラの冬にはレシピは載っていないのでこれはあくまで創造的なデデ肉であることは了解してほしい。
まずは干し鱈を水につけてやわらかくする。
代用肉なので鱈の風味はなるだけとっておきたいので水を替えて1日以上水につけておく。

これが丸一日漬け込んだもの。すっかりやわらかくなっているので指でほぐしておく。

次に豚肉。包丁でたたいてこれに鱈を混ぜ込んでさらに包丁でたたいて豚に絡めていく。

※ミンチでやればいいやんって思うかもしれないが、実はこの前にミンチでやってみたが単なる鱈ハンバーグになってしまったので今回はあえて肉をたたいてつくってみた。

ここでスパイス。胡椒とナツメグ、それに刻みにんにくを入れて少しでも魚くささをとってみる。

つなぎとしてポテトサラダの元(粉末ジャガイモ)を加え

ラードを練りこんで肉っぽくする。
※つなぎなら小麦粉って考える人もいると思うけど、このときのドイツじゃ小麦粉は貴重品。
基本をジャガイモで増量して小麦粉はほんの少しにした。
あと、ラードはこのころバターの代わりにパンに塗るくらいの一般的なアイテムだ。

型に入れて冷蔵庫で冷やし固めて完成!

早速軽く脂を引いて焼いてみましょう。

わずか130gの豚肉がなんと約300gまで増量できました!すごいすごい!
※2014年現在の材料単価はどう考えても豚肉のほうがお安いですがそこを考えてはいけません。
早速いただいてみましょう。

味は......「鱈の入った豚肉」の味がします(苦笑)。
ドイツの主婦がどれくらい満ち足りた気分になれるかどうか不明ですが、もう少しにおいが抑えられそうなスパイスやソースを使った法がよかったかもしれません。
干し鱈が豚の3倍位するので何を節約してるのかわかんなくなっちゃう料理ですがWWⅠのドイツ人気分でぜひ1度作ってみてください。
タラの臭み抜き苦労しておられるご様子。
本職に尋ねたところ、
1)タラをほぐした時に水もしくは茹で軽く洗う
2)ナツメグはどちらかというと肉用なので、魚用のタイム、フェンネル、オールスパイス、セージ、ディル、バジルなどから3種類程度を用いるとナツメグ単体よりましな結果が得られるとだろう
とのことでした。
自分で試すときにはこれでやってみようと思います。まあ、台所を家内が使わせてくれるかどうかが先ですが。
1)鱈は水を替えて1.5日くらい
2)すりこぎですりつぶす
3)にんにくなんかもそこそこにおいけし効く
こんな感じで作成しております。タイム、バジルはよさそうですね。
あと、台所は奥さんの言うとおり最後まで掃除することをおすすめします。
と言っては駄目なのでしょうなw
当時それだけ肉が不足していてやりきれないものがあって、少しでも肉っぽいものを食べたかったのか、もうたらの干物しか残ってなくていい加減嫌気がさしていたか、ドイツ人はタラ嫌いなのかどれかだと思いますが......