2013年11月10日

醗酵とグルテンの働き

さて、それではそろそろライ麦パンっつーかコミスブロート的なやつを作っていきましょう。

まずその前に白パンとライ麦パンの違いを抑えておきましょう。

前回白パンを作ってわかったと思いますが「よくねった小麦にイースト入れて、適度な温度と湿度があるところにほっておくと膨らむ」という特徴があります。

これは、小麦粉は水でひたすら練っていくと非常に粘度のある「グルテン」という物質が出来ます。そのため小麦粉を水で練るだけであのような生地ができるわけです。

そしてこの生地にイーストを練り込んでおくと、糖分を養分として発酵することでガスを出し、それをグルテンが受け止めて膨らむのです。

余談ですが、小麦粉内にも糖分があるため実は糖分を加えなくても小麦粉は膨らみます。また、イーストと同じような働きをするものは空気中にも存在しているため小麦粉を練って放置しておいても生地が膨らむことがあります。

実はパンは紀元前6000年くらいは醗酵をさせないで単に水で練るだけで焼かれていました。

しかし、これをほったらかしにしておくと「なんだか膨らんできてふかふかしてウメェ!」ってのを紀元前3500年頃のエジプトで発見したらしく、そこからは世界中のいろいろなところで小麦粉を醗酵されて焼くというパンが出来るようになってきました。

エジプトの人すげぇ!この勢いでライ麦だってふくらませちゃうぜっていきたいところなんですが、ここには大きな問題があります。

実はライ麦ってのはこのグルテンってやつがほとんど含まれていないのでいくら練ってもあのベトベトした生地にならず、イーストがガスをだしても全てが生地の隙間から出てってしまうので膨らまないのです。

えええっ!なんてじゃぁライ麦なんて使うんだよ!小麦粉でいいやんって思う方もいると思います。

だってしょうがないんですよ。当時のドイツは気候の都合で小麦粉がとれるところがあまりなく、ライ麦しか作れないところが多かったのです。

そのためライ麦でなんとかパンを作らねばならず、ライ麦をなんとかして膨らませなければいけなかったわけです。

さて、じゃぁライ麦はどうやって膨らませたらいいのでしょうか?

それは、ライ麦をベースとして粘りのあるパン種を作成し、それを醗酵させることでライ麦パンをふくらませていくのです。

醗酵とグルテンの働き
ちなみにこれがライ麦100%を何も考えずにイーストで練ったものを焼いた場合です。
よくわからん状態でライ麦焼いたらこんな物体ができたんでびっくりしました。

そんなわけでいよいよ次回はライ麦パンのパン種を作成していきます。
クッキングナチではこんな失敗しないようにしていきますので乞うご期待!




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Posted by さめ ひろし  at 21:21 │Comments(0)パン作り

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